OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

米騒動は“RIOT”か

2025.07.31

こんにちは。みんなの花研ひろばです。
メールの署名には会社名や連絡先のほか、「今日は何の日」と「今日の花」を毎日入れ替えて載せています。
送信先の方がメールを開いたときに、少しでも花に興味を持ってくださったらいいなというささやかな願いがあったり、「何の日」を記載するのはアイデア次第で花のマーケティングと結びつくこともあるだろうと思うからです。
とはいえ、正直なところ毎日確認したいアタクシ自身の興味でもあります。この小さな情報が話の糸口となり、思わぬコミュニケーションを生むこともしばしばあります。
例えば、 昨日はアタクシの名前のすぐ横に「梅干しの日」とあったものですから、思わず笑ってしまったと。「今日、コンビニで、梅酒でも買って帰ります笑」なんていう、心温まるコメントをいただきました。

 

さて、去る7月23日、そんなアタクシの署名欄に記載されていた「何の日」は次の通り。

 

*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*・・・*
株式会社  大田花き花の生活研究所          2025/07/23
〇〇名前〇〇    米騒動の日   今日の花:ブーゲンビリア

 

 ・・・ ・・・ ・・・

 

卸売市場の歴史を語るうえで避けて通れない大事件が、1918 年の 米騒動です。とくに富山県魚津町で最初の騒動が起こった7月23日は象徴的な日とされ、現在では「米騒動の日」として知られています。

 

NHKアーカイブには当時の様子を伝える映像も残されており、東京の小岩・世田谷・京橋・目黒・品川でも同様の暴動が起こったことがわかります。
 ご興味のある方はこちらからご覧ください↓
 
「米騒動」とは英語でrice riots(直訳で「コメ暴動」)と表現しますが、この動画を見ると市民と政府との衝突があったり、まさに“暴動”が起きているという印象です。
しかし、 「平成の米騒動」「令和の米騒動」も“暴動”とは程遠く、民主主義の下、SNSやメディアを通じた言論による抗議活動として広がった感じです。政策に対する不満や改善要求を言論によって表明したもので、とても現代的な“騒動”と言えるのではないでしょうか。

 

新聞によっては、1918年の米騒動を基点にわかりやすく“Reiwa Rice Riots”と表現している新聞もあるようですが、暴動を伴わない「令和の米騒動」を、riotsではなくどう表現するのかと思い調べてみました。

 

・commotion(騒々しい騒ぎや混乱)
・uproar(大勢の人が騒ぎ立てるような騒動)
・confusion(混乱)やturmoil混乱や動揺)・・・前農林大臣の失言があったことを思えばこんな感じでしょうか。
このあたりの単語で表現した方がしっくりきそうです。

 

あるいは、1993 年の冷害による「平成の米騒動」は、 rice shortage crisis(米不足危機)などで表現できるかもしれません。

 

いずれにしても、平成や令和の生活者は民主主義の下、とても冷静だったように思います。そして今後は、もしかするとRice price controversy(米価をめぐる論争)が起こるかもしれません。

 

生活における重要度の差こそあれ、花き取引でも価格と価値のバランスを常に問われるだけに、米騒動は対岸の火事ではありません。花がなくて困ったと暴動が起こるということは、いまはなかなか想像しがたいことではありますが、生活者に静かにそっぽ向かれる前に、生産や物流に逆風が吹いている中でも、できるだけ不足のないように供給していきたいものです。

 

それではみなさま、ごきげんよう。
pagetop