花研コーヒーブレイク
街を彩る静かな主役 “ものがたり街路樹”
2025.06.25
花研の一研究員です。昨今の花木ブームから花市場のみならず、花木全般に興味が移りつつあります。
例えば、道路脇の街路樹。国内の道路には必ずといっていいほど何か樹木が植えてあります。
これは世界中どこでも概ねそうなのでしょうか。アメリカのルート66にはあるのでしょうか。
ルート66とはアメリカを横断する有名な道路。街路樹を調べるにはやはりグーグルマップのお力をお借りするのが手っ取り早いでしょう。早速、見てみますと、電柱はありますが、市街地でも街路樹がないところばかりです。
日本のルート66といえば、国道一号線あたりでしょうか。街路樹だらけかと思い“木”や、意外にもずっと街路樹が植栽されているわけでもなく、市街地から離れると街灯や電柱はあっても街路樹はなくなります。街路樹はありませんが、その周りが緑ばかりの山々に囲まれていますから、いわば“借景”のお陰で街路樹は必要ないということかもしれません。
では東京はどうでしょうか。やはり東京は街路樹だらけです。東京都建設局のHPサイトに街路樹のデータベースがあるのでお時間ある方はぜひご覧くださいな。
サイト内の説明によれば、街路樹の歴史は古く奈良時代まで遡るようです。今のような環境整備よりももっと切実な理由だったようです。旅人のために果樹を植えたのが始まりだそうです。飢え渇きをしのぐ休息場所として木陰が必要だったということでしょう。
ということは、道に沿ってずっとというよりも、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアのように、要所要所に植えられていたのかもしれません。(サービスエリアは50kmごと、パーキングエリアは15kmごとに設置されているようです)
その後、江戸時代には街道沿いに樹木が植えられ、現在では景観への配慮や路側帯・分離帯としての機能の点からの意味もあり、植栽されているのかもしれません。
奈良時代ならいざ知らず、今では街路樹に果樹パターンはあまり見かけないように思います。大きな果樹が道路にゴロンと落ちてきたら危ないですよね。民家の果樹枝が公道に張り出し、大きな果樹が落ちていたりすると、それを避けるために蛇行運転になりますし、なかなか危ないなと思うことはあります。
それにみなさま、ご存じでしたか。東京では2006年度に街路樹倍増計画、100万本計画が始まり2024年4月1日時点で達成していました。いつの間にか私たちはグリーンあふれる東京に癒されているようですよ。
なんだかビルばかりのイメージがありますが街路樹だらけの街でもあるのが東京で、そして屋外でも樹木が流行っているのでした。
大森駅前の街路樹、ヤマボウシ満開様子。
それではみなさま、ごきげんよう。