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ヤドリギ伝説はすごいかもしれません!

2021.12.02

こんにちは。ボンソワール桐生です。

図書館に予約した書籍を取りにいったつもりが、勘違いで何も届いていませんでした・・・とほほ。

実はしょっちゅう機械的に予約を入れているので行けば何かあると思っているのです。

そこで適当に目についた本を借りてきました。『植物表現辞典』(大岡信監修)、これがなんと読んでみたら面白い。事典のように植物名があいうえお順にならび、その植物ごとに簡単な説明、それから歌った歌がずらずらっと並んでいるものです。

 

出ましたよ、「菊」。万葉集にはないが古今和歌集にはある。これをまず調べてみます。その通りでした。ところで菊はその香りについてもよく詠まれていて、香りの植物であると認識されます。

芥川の歌に「柱がけの菊は香ぐはしとろとろと入谷の兄貴酔ひにけらずや」というのもあります。解釈はわかりませんが、この句は1920年の10月16日頃の書簡にあったらしく、旧暦では9月5日にあたるので重陽の節句をイメージしての菊の句なのかもしれません(書簡のことも旧暦もネットで調べたのですが)。

 

次にだらだらとページをめくっていたら「ヤドリギ」をみつけました。ヤドリギのような寄生植物は、むかしは「ほよ」と言ったそうです。万葉集に一首、ほよを詠んだ歌があります。

「あしひきの山の木末の寄生(ほよ)とりて 插頭しつらくは千年寿くとそ」

ヤドリギを髪にさすのは長く祝うため、というヤドリギの持つ神秘な力を信じていることがわかります。以前この欄でも書きましたが西洋でもヤドリギに神秘的な力が宿るとされていました。地面につかないってこと、また地面につかないのに厳冬でも尚常緑であることがすごい重要で、それは古い古い物語、キリスト教前の北欧神話まで遡ります。

 

日本でも同様の解釈であることに驚きました。しかし世界各地に同じような話があるのは、人類が移住するときに物語も引き連れていたことによるのかも。

製鉄技術の伝播と古い物語の伝播は結びついている、そのため世界中に似たような昔話があるって、マンガ「宗像教授伝奇考」に書いてありました。

 

 

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