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エチオピアでショッキングな事件 ~花き生産エスメラルダ社~

2016.09.07

オランダの農業ネットニュース“HortiBiz”が、エチオピアで花き生産をするエスメラルダ社(オランダ企業の資本)が、反政府勢力によって焼き討ちに遭い、大変な被害が出ていると報じました。売上の30-40%が消え、最新鋭の設備も灰になったというショッキングな出来事。操業停止にまで追い込まれているそうです

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エスメラルダ社からの発表

エスメラルダ社は2015年から新規事業として操業開始したばかり。エチオピアはこれまでアフリカの中でも比較的治安も安定しており、成長への期待も大きかっただけに関係者の無念ぶりは想像に難くありません。

この話は日本で花き流通に携わる私たちにとって、決して対岸の火事ではありません。

つい先月の27-28日には、TICAD会議参加のために日本から安部首相率いる経済産業団ご一行がケニアを訪れましたが、アフリカ、とりわけエチオピアへの投資意欲が盛んなのは花き産業もその通りです。

近年のエチオピアの花き生産の伸びにより日本にも多くの切り花がエチオピアから輸入されていて、今や大田花きが取り扱う輸入品の中でいえば、エチオピア産は数量にして5本の指に入るほどです。国内の種苗会社さんの中には、エスメラルダ社からカスミソウなどの苗を購入していらっしゃるところもあります。

 

そういえば、今回のリオ五輪でエチオピアのマラソン選手(男子・銀メダル)が、ゴールの時にアームをクロスしたことが話題になりました。これはエチオピア政府への抗議のメッセージであると。あれからほどなくこのような事態に陥ってしまうとは、本当に悲しい事です。

エスメラルダ社は現在のところは復帰よりも撤退の色が濃厚のようですが、私たちにはひとまず行方を見守ることしかできません。できることならエチオピアに平和が戻り、花き産業においてもサプライチェーンの早期回復を祈念するばかりです。

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