OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

国際花きシンポジウム 後編その②

2016.03.11

長くなってしまい結局後編を2回に分割しました・・・しつこくてすみません^ ^;

 

国際花卉シンポジウムの後半戦はパネルディスカッション。

総務省評価局の佐分利氏(元農林水産省花き産業推進室長、岐阜県ご出身)がコーディネーターを務めます。

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「国際花き」と詠っているだけあって、さすがにインターナショナルな顔ぶれです。日本、インド、韓国、中国、シンガポールと5か国のパネラーが一同にステージで会しディスカッションを展開。花き業界では初めての企画のように思います。

(パネラーをズームで撮影させていただくと、バックの壁面緑化が生きてきますねー)

それぞれの国における花文化の浸透度や意識の違いが分かり大変興味深かったですね。

全てを記したいところではありますが、長くなりすぎてしまいますので、個人的に印象に残った内容のごく一部をご紹介したいと思います。

【トピック】 各国における花緑の使われ方について

韓国ではまだまだパーソナルユースは少なく一人当たり年間15,000ウォン程度。中国も政府主導で花に興味を持ってもらえるようにはなってきたが、パーソナルユースに落とし込むのはこれから。まさに今花の消費は政府主導から個人消費主導に移行しているところ。

ところが、インドとシンガポールは違いました。

例えばインド。

メトル氏によると、インドは人口12億のうち3億が貧困層。この3億の人でさえも花を使うのだそうです。

パンが買えないときも花を買う。花がなければ寺院にも行けない。「花がなければ人生はない」という考え。

北インドでは主にマリーゴールドやバラを使います。家ではハーブや樹木を育てますが、この樹木は居住者のスピリットともいうべきとても大切なもので、お金を出しても切ってくれる人はいない。これがインド人のDNAなんだそうです。

うーん、宗教と密接なかかわりがあるせいか、インドのみなさまの人生にとって花は必需品なのですね。

建国50周年を迎え、人あたりのGDPが日本を超えたシンガポール。

島を緑で埋め尽くそうというグリーンシティ構想があります。初代首相のリー・クワンユー氏の政策から緑化が続いているそうで、こちらももうなんだか若い国ながらこのようにしてシンガポールのみなさまのDNAに刻み込まれていくのでしょう。

国民はみな花が好きで、シンガポール自生の花でなくてもユニークな花(ダリア、ローズ、チューリップ、キク、何でも)を取り入れ楽しんでいます。小さなアパートに住んでいてもインテリアグリーンやテーブルグリーンを楽しむ文化があります。

個人消費も活発だし、政府は2年に一度開催しているフラワーフェスティバルは25万種を展示。政府が大変力を入れているイベントなのだとか。

また、リー・クワンユ氏のコンセプトCity in the Gardenの構想実現に向けて政府が動いているのだそうです。Garden in the City ではありません。グリーンの庭の中にある街です。

シンガポールは世界有数のビジネス街ですが、そのビジネス街にチョウチョが飛ぶ都市を作る。新たな多様性を模索しています。とはいえ狭い土地なので、vertical gardening(垂直庭園)を計画しているのだそうです。以前、小欄で垂直農法を紹介させていただいたことがありますが、シンガポールでは本当に垂直庭園が現実味を帯びているのですね。

あるいは屋上ガーデニングなどを作る。このようなビルにオフィステナントが入っていくことによって建物自体の気温を下げることにも繋がります。

コミュニティ基地を緑化することでどの階級でもグリーンを楽しむことができる新しいコミュニティの形、新しい緑の形を作る。緑の先進国シンガポールのリム氏からはeye-openingなストーリーを聞かせていただきました。アジアの国々では比較的宗教心の篤い国が花を使うのかと思っていましたが、シンガポールはその例に当てはまりませんでした。それでも尚、花き消費は法人、個人需要の双方において伸ばしていらっしゃるわけです。シンガポールは今後さまざまな分野においてますますアジアや世界のリーダー的な存在になっていくことを痛感いたしました。

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左の写真はシンガポールのデニス・リム氏(シンガポール・国立公園超イベント展示部副長)。

右はシンガポールの花消費について語るデニス・リム氏とカマール・メトル氏。

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日本代表で日本の花文化や花き作業の将来について語る 松浪健四郎氏(元衆議院議員、日体大理事長)と山田香織氏(盆栽家)。

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韓国から ジョン・ファヨン氏(韓国花き輸出連合組織K-Rose代表理事)と中国から姚技氏(中国・江西省花卉協会会長)。

今回の講演とパネルディスカッションを通して、主催者が伝えたいことは次のようなことかなと思いました。

花き文化は各国間で差があるが、花は人に品格を与える。暮らしを豊かにするばかりでなく、ビジネスに取り入れても効率が上がる。人にとってかけがえのないパートナーになっていくだろう。またヘルスケアの点からもポテンシャルが非常に高く、日本、その他の国でも明るい産業である・・・!

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