「香りの提案」大田花き花の生活研究所

バラ

Category: 草花類

バラの香りとは

もしバラの花に香りがなかったとしたら、私たちは長い歴史をバラとともに歩み、これほどバラの花を愛でることができたでしょうか。「香りのないバラは笑わぬ美人に同じ」とも言われるように、バラの花は姿かたちよりもその香りゆえに美や愛の象徴として、あるいは「花の女王」、そして「香りの女王」と呼ばれるようになったと思われます。バラの香りは近年の研究により、人の生理、心理に良い影響をもたらすことが分かってきました。その香りは成分研究されて7タイプに分類されています。

バラの香りのタイプ分類

バラの香りは、その香り成分の配合バランスによって7タイプに分類されます。

※香りの強さは3段階で評価しています。

1、ダマスク・クラシックの香り : 表記(DC)

バラの古典的な香り。強い甘さのある華やかな香りの中に、みずみずしさを感じさせる奥深い香りが特徴。香料はバラの香水にも用いられる。

2、ダマスク・モダンの香り : 表記(DM)

ダマスク・クラシックの香りを受け継いだ洗練された香り。バラらしいコクと深みのある甘さが感じられる。

3、ティーの香り : 表記(T)

現代バラの多くが持っている香りでソフトで上品な紅茶の葉に似た香りがする。香りの強さは中程度だが
リラックス(鎮静)効果をもたらすティーローズエレメントを多く含み、香りによる効果はもっとも高い。

4、フルーティの香り : 表記(F)

ピーチやアプリコット、アップルなどの新鮮な果実の香りを思わせる、さわやかな甘さのある香り。フルーティの香りは主に鎮静・安眠効果が期待出来る。

5、ブルーの香り : 表記(B)

ブルーの花色が特徴の「青バラ」系の品種が持つ特有の香り。主にダマスクモダンとティーの香りをミックスしたようなシャープな香りを放つのが特徴。ブルーの香りには鎮静効果や集中力アップ効果が期待出来る。

6、ミルラの香り : 表記(M)

イングリッシュローズに多く見られる特徴的な香り。スパイスの八角(アニス)に似た甘さとほろ苦さを感じる、まろやかな香りが特徴。近年の研究では、ミルラの香りには気分を高める覚醒効果が期待出来ることも分かっている。

7、スパイシーの香り : 表記(S)

スパイスの丁子(クローブ)に似た香りが強く、やや刺激的な中に甘さが感じられるほのかな香り。チャイナ系のバラや、日本に自生するバラ科のハマナシなどに見られる特徴的な香りでもある。現在の切バラ品種にはほとんど見られない。

上記の品種詳細は、花情報提供サービス「ここほれわんわん」からご覧いただけます。

バラの香りの活用法

香りの成分研究から、バラに含まれるティーローズエレメント(化合物名ジメトキシメチルベンゼン)という成分には、森林浴の香りと同様の鎮静効果や抗ストレス効果があることが実証されています。

1、鎮静効果、安眠効果
ティーローズエレメントにはラベンダー精油の3~4倍もの鎮静効果がある。ティーの香りのバラは特に鎮静効果が高い。

2、ストレスの低減
バラの香りをかぐと、血中のストレス値※コルチゾールの濃度が低減する。※コルチゾール濃度が高まると血圧、血糖値の上昇やストレス状態、うつ病の原因にもなるといわれている。

3、美肌効果(スキンケア効果)
バラの香りをかぐと、皮膚バリアの回復を早める効果がある。ダマスクモダンの香りのバラは特にスキンケア効果が高い。

バラの香りの変遷

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あとがき

海外からの輸入花きが増えている今日、日本国内はバラのシェアが約77%あり、ほとんどのバラを自国でまかない消費する、世界的に見ても大変恵まれた環境にあるといえます。国産バラの特徴は、品種の多さとスプレーバラのシェアの高さ、国際需給率の高さから鮮度の良いものが多く、よって香るバラが楽しめることにあります。また、日本のバラの育種家によって毎年多くの新しい品種が生み出されていることも大きな特色です。これからは国産バラの姿かたちだけではなく、香りにも注目してみませんか?