「香りの提案」大田花き花の生活研究所

ストック

Category: 草花類

               

ストックとは

ストックは南ヨーロッパ原産の多年草で古代ギリシャ、ローマ時代から薬草として利用されてきました。野生種は一重咲きでしたが、切花向けに改良された品種は八重咲きを中心にパステルトーンの豊富な花色が特徴です。市場では主に山形県、千葉県、愛知県などから出荷があります。12月から翌年の3月頃までが主な出回り時期として親しまれております。

ストックの香りの特徴

ストックの花の香りはカーネーションの香りと良く似ており、パウダリーでほのかに甘くスパイシーな丁子(クローブ)の香りが特徴。ほとんどの香水(フレグランス)の調香に必要な香りの要素として、珍重されている香りです。16世紀イギリスにおいて、ストックは“ストック・ジリフラワー”と呼ばれていましたが、これは「堅い茎を持ちカーネーション(ジリフラワー)の香りがする花」という意味の名残だと言われています。

スタンダードタイプのストック「雪波」の分析結果から、ストックはオイゲノール系のスパイシーな香りを主体にリナロールなどフローラル調の甘い香りを併せ持つことが分かりました。
花香全体の約50%近くもオイゲノールと呼ばれる成分を含み、丁子(クローブ)やカーネーションに似たスパイシーでパウダリーな強い香りが特徴です。また品種による香りの違いは無く、スタンダードとスプレー、どちらのタイプも同様の香りを持っていることが明らかになりました。

ストックは切花品種では、スプレータイプよりもスタンダードタイプの方が香りが強く、また一般的な園芸品種では一重咲きよりも八重咲きの方が香りが強い傾向にあります。

「雪波」の成分分析結果 ※データ提供:つくば花き研究所

ストックは、カーネーションやスパイスの丁子(クローブ)に似た香りが特徴。

ストックの香りの活用法

香りのブーケに活用してみてはいかがでしょうか。

バラ(ダマスクモダンの香りのバラ)やスイートピーなど甘さと透明感のある花香調の香り(※1フローラルノート)の芳香花との組み合わせによって、ストックの独特の香りを生かすことが出来ます。
ストックのスパイシーな香りは、その特徴から、フローラルノートの香りに深みを持たせ香りの持続性を高める効果が期待できます。
また、切枝で流通しているヒムロ杉、ヒバ類特有の樹木の香り(※2ウッディノート)はシナモンや丁子(クローブ)、八角(スターアニス)などのスパイス香との相性が良いことから、香りのアレンジにおいてストックはこれらのスパイスの代替としても使うことが可能です。

上記写真:ダマスクモダンの香りをもつバラ。

左から「イブ・ピアッチェ」「リベルラ」「ザ・プリンス」「ドラマチックレイン」「リーク」

※1 フローラルノート・・・ジャスミン、ローズ、ミュゲ、リラといった4大フローラルに代表される、その他様々な花の香り。香りの揮発性と保留性は中程度。

※2 ウッディノート・・・樹木の香り。落ち着きや暖かさがあり、保留効果に富むのが多い。