「香りの提案」大田花き花の生活研究所

カーネーション

Category: 草花類

 

カーネーションについて

カーネーション栽培の起源は古く、ギリシャ時代からすでに観賞用、食用として栽培されていたそうです。カーネーションの香りはスパイスの丁子(クローブ)に似たスパイス香が特徴となっています。甘くスパイシーな香りには香辛料の成分があり、ヨーロッパでは古くからブドウ酒や料理、香水の原料に使われてきました。
また、カーネーションの香りには酒酔いを防ぐ効果があると信じられており、酒席ではカーネーションで作った冠を頭に載せたそうです。このことから、カーネーションの語源はcoronation(冠飾り)に由来するともいわれます。

カーネーションの香りとは

カーネーションは、オイゲノールを主成分として、フェニルエチルアルコール、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリシレート、シンナミルアルコール、シトロネロールなどを含みます。

カ―ネーションのエッセンシャルオイルは有機溶剤を用いた溶剤抽出法によって採集されますが、収集率0.03%と低く高価なため生産量が減少しています。

カーネーションの香りのタイプ分類

カーネーションはその香り成分の配合バランスによって3タイプに分類され、以下の香りの表記はセリ機、インターネット受発注システムに掲載されています。

※香りの強さは3段階で表記されています。

①フローラルスパイシーの香り : 表記(S)

スパイスの丁子(クローブ)、スターアニス(八角)の香り。

②ロージーグリーンの香り : 表記(R)

ローズやスズラン、ヒヤシンスの香りを含むグリーン調の香り。主にダイアンサスに見られる香りだが、微香である場合が多い。

③バニラ :表記(V)

甘くパウダリーなバニラの香り。主にダイアンサスに見られる香り。

※上記表の見方

㈱大田花き花の生活研究所では、カーネーション品種「ユーコン」「モキト」とダイアンサス品種「ソネットキュウ」「KC08-015」について成分分析を行いました。上記の表は、4品種に見られた特徴的な芳香成分(%)を一覧表にしたものです。”香り成分”は、含有している成分名、”香り/品種名”は、”香り成分”を表す表現が明記されています。

上記の表から、カーネーション「ユーコン」「モキト」はフローラルスパイシーな香り成分を多く含み、ダイアンサス品種「ソネットキュウ」「KC08-015」はロージーやヒヤシンスグリーンの香り成分を多く含んでいることが分かります。よって、カーネーションに見られる特徴的な香りは”フローラルスパイシー”、ダイアンサスに見られる特徴的な香りは”ロージーグリーン”とタイプ分類をしました。

※香り表現について

・ロージー/バラの香りに見られる特徴的な香り。主にバラ様のフローラルノートを指す。

・ヒアシンスグリーン/ヒアシンスなどに見られる、グリーンノートを指す。

・フローラルスパイシー/フローラルノートの香りに、スパイス香を思わせるスパイシーな香りを併せ持つ。

分析データ提供:曽田香料株式会社より。

カーネーションの芳香品種(切花流通品種)の詳細は、花情報提供サービス

「ここほれわんわん」からご覧いただけます。是非ご参考ください。

カーネーションの香りの活用法

カーネーションに見られる丁子(クローブ)の香りは古くから食料の香り付けなどに用いられており、その香りには消化の働きを助ける働きがあるといわれています。エジプトのクレオパトラも自らの船の帆先に丁子(クローブ)の香りをつけて存在をアピールしたといわれています。

また、香水(フレグランス)の創作においてもカーネーションの香りは重要な位置付けにあります。カーネーションの香りを用いた代表作にはコティ社「オリガン」や、ニナリッチ社「レールデュタン」、エスティーローダー社「スペルバウンド」、「エタニティ」などです。これらの香水の調香をヒントに、生花を使って再現してみるのも興味深いことと思います。

芳香花を組み合わせた香りのブーケやアレンジメントにおいては、残香性の強いカーネーションによって全体の香り保ちを良くしたり、暖かみのあるスパイシーな香りがバラやハーブなど芳香花の香りと調和し、香りに厚みをもたらします。

生花のカーネーションのスパイシーな丁子(クローブ)のような香りは暖かいほど香りやすく、開花するほど香りが強まり、1~2週間近く香りを放ち続けます。花保ちの良さと香り保ちの良さを生かすことの出来る芳香花だと思います。