OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

広島花きイノベーション推進事業「花活シンポジウム」へ

2014.06.30

 

6月27日、広島花きイノベーション推進事業「花活シンポジウム」のパネラーとして参加させていただきました。

「花活」とは「花を暮らしに活かす」を略した言葉。広島花きイノベーション推進事業のキーワードです。

この度は、花を福祉に活かすという活動の旗揚げとして、広島市でシンポジウムが開催されました。定員200名のところ、当日の参集約230人!

開催に携わる方々のご尽力が伺えます。

 

広島花きイノベーション推進事業協議会の会長をお務めの株式会社花満・和田社長の開会の御言葉を皮切りに、基調講演として独立行政法人花き研究所の望月寛子先生より「脳に障害がある方や統合失語症に悩む方などのリハビリとして効果的なフラワーアレンジメントの提案」を伺いました。

 開会を宣言される和田社長

 基調講演の望月先生

望月先生のリハビリに効くフラワーアレンジメントのお話は次の通り。

フローラルフォームを最初からこのようにカットし、その断面に○△□等のマークを付けておきます。

 

作成指示書に、例えば○マークにはバラを挿す、△にはカーネーション、□には葉物を挿すと書いてありますので、そのように挿せばだれでも同じようにかわいいラウンドのフラワーアレンジメントがあっという間に完成してしまうのです。

長さは、10cm程度のストローがあり、全てそのストローの長さに合わせてカットするだけ。この方法は特許を取得されています。

脳の働きに問題のない私たちでさえも“フラワーアレンジメントは難しい!”という認識に端を発しています。普通にリハビリに取り組むだけでは、難しいからと諦めてしまったり、うまくいかなければ挫折してモチベーションを維持することは不可能でしょう。

そこをいかに容易にし、誰でも同じように完成するかを考えたところがポイントなのではないかと思います。

認知障害等のリハビリに効果があったというこの方法は、

1 容易で失敗がない

2 手順が決められている

3 誰もがかわいく仕上げることができる=作成者が満足感を得られる

このリハビリを行う前と後では、記憶力や空間認知力などに改善が見られたという数値データも発表されました。

また創作したものを人に褒められることにより、次回への創作意欲も高まり、リハビリの継続性を期待できるし、ご家族や周りの方とのコミュニケーション能力の改善も期待できると、その可能性は広がります。

このフローラルフォームのマークは凹凸でできているため、盲学校・養護学校でも実用可能、被災地や仮設住宅で取り入れられたり、さらにはこのフローラルフォームの加工は社会復帰のためにリハビリをしている人に作ってもらっているとのこと。就労支援になっているのだとか。

医療福祉に貢献するばかりではなく、雇用の創出や復興支援にも直結。そしてそれが延いては花き産業の発展にも繋がるのです。

人々を幸せにする取り組みとはこういうことなのだなとしみじみ思いました。

 

広島イノベーション推進協議会では、この特許の使用権を申請中とのこと。1日も早く広く全国に普及することを祈っています。

 

花研が参加させていただいたのは、第2部のパネルディスカッション。

この続きは明日!

 

 

 

pagetop