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ロシアの花輸入拡大

2014.03.12

 

3月10日のJFMA海外情報プロジェクトへに持ち寄った記事から。

 

以下、出典はFlora Culture Internationalの2014年2月号。

 

ロシアがWTO加盟により、花の輸入量が伸びてきているというトピック。

 

まとめると、ロシアはWTOに加盟したことにより、2012年は花の輸入は前年比で39%伸びた。オランダからだけでも15%の伸長。2013年の結果はまだまとめられていないが、同様に伸びたものと見られている。

 

その理由は、ロシアがWTOに加盟したことにより、切花にかかる関税が15%から5%に下げられ、2013年1月現在でいえば1kgあたり0.3ユーロ以下になったから。

更に2015年からは切花輸入関しては、葉物、枝物、コケや草物など、いわゆる「花」が付いているものでなくても装飾目的であれば15%から10%に引き下げられる。

 

ロシアの場合、2012年は国内生産者は、春に生産できた程度だったため、年間を通すと90%が輸入商材であった。そのほとんどはオランダ、コロンビア、エクアドル。最近では中国もロシアに輸出し始めている。国内の10%を供給する生産者は、需要が上がるスプリングホリデーにカーネーションとデイジーの供給するのみ。

 

このようなロシアへの販売拡大は、EUの生産者に大きな利益をもたらしている。ロシアのマーケットは、オランダのバイヤーにとって世界でも5番目に大きく、EU内の消費に比べ将来的にも見込みがあり、成長し続けるマーケットとして見られている。一方、オランダにとって昔からの顧客であるスペインやイタリアのマーケットは深刻な販売減少を引き起こしている。

 

ロシアはとりわけ物日需要が大きいマーケットで、2月、3月、5月、9月、そして12月が最も大きな需要を抱えている。3月のホリデーシーズンになると、1本の薔薇の価格は凡そ10USDにまで値上がりするし、チューリップでも3.3USD程になる。専門家によると、ロシアの花の単価は比較的高く、例えば、2011年の消費者価格は1本あたり2.23USDで、ロシアの消費者にとっては比較的高い。

しかし、同時に将来的にこの状況が変わる可能性がある。現在は、違法に花が輸入されており国産よりも輸入品の方が儲かる場合あるが、関税を下げより輸入しやすい方法に手続きを整え、全体の価格が計画的に下げられれば、需要の季節変動が徐々に少なくなる。消費者の好みも変化し、ホリデーだけでなく装飾やギフトなどにも買うようになり消費像が変わってくる。

加えてロシアの農務省の予測によると、これから将来数年のうちに国内生産者のシェアが増えていくと見られている。近年は施設園芸や生産設備への投資が急増しているからである。しかし、未だに現在の花の生産者はまだ海外の生産者を競争するほどの技術はないが、施設園芸の技術が確立されれば、国内供給も安定し、需要日ごとにとてつもなく花の単価が上がることもなくなる。

 

現在のところ、ロシアは6つの切花輸入大国のひとつである。他にUS、ドイツ、UK、フランスなど。公式には年間20トンが輸入されていると発表している(しかし、実際には違法に輸入されている切花の量が膨大にある)。アナリストたちは、ロシアの切花マーケットは2014年も成長し続けると見ている。現在のマーケットは53億USDと試算されており、モスクワはその20%を占めると言われている。

 

 

というロシアの花事情に関する記事でした。

EUが金融不安の中で花の消費を落としている時も、ロシアだけは活発な消費を見せていたのだとか。

日本の花の輸出もこれからさらに盛んになっていく中、ロシアの動向も見逃せません。

 

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