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同志社大学家元講座 池坊次期家元由紀先生の講義へ

2014.02.04

 

2月3日(月)、同志社大学が主催する家元講座の第3回「生け花」で、池坊次期家元池坊由紀先生の講義を受けに行ってまいりました。(於:丸の内JPタワー)

同志社大学はグローバルな人材の育成のため、また首都圏における日本の伝統文化の紹介のために、一般の人も無料で受講できる家元講座を昨年11月より4回シリーズで開講。第1回は能、2回は京舞、3回は今回の茶道で、第4回がが茶道裏千家となります。

 

限られた時間の中で、以下のようなことをお話されました。

・池坊の近代史

特に戦中は流派解体を命じられながらも、国に貢献するために池坊から航空機“池坊号”を献上し、このことが流派存続に繋がりました。

 

・社会・自然環境の変化・変遷に伴う池坊のあり方

芸術家としての独りよがりではなく、「文化」(=集団の共通価値を繁栄する活動の様式)として、また、家元として求心力を持った存在であるために、伝統を踏襲しつつ新しいものを受け入れていくという凛とした姿勢。

 

・生け花キーワードとして2つ
「自然との調和」
自然環境との関係性を重んじているからこそ成り立っている文化。
生け花とは、華のある花材のみならず、生命を持ったあらゆる花材を使うことによって“調和”を表現する小さな宇宙。
自然の中で生きること、自然に内包された日本人のアイデンティティを表現する手段のひとつ。
「生命の表現」
生け花の“生け”とは、生きたもの、命の意味。
枯れかけているのも含め、あらゆる植物(命)を人の手によって全て美しく輝く状態に生かすことが生け花の定義であり、これが「美」である。

 

そして、締めとして生け花が文化社会背景の異なる者同士を結び付けるツールとなることを願うとメッセージをくださいました。

 

池坊とは、日本人の美意識形成にも大きな影響を与えてきた日本の文化遺産でもあり、また同時に今後の日本の花文化を牽引していく先端の文化でもあります。生け花池坊を知るということは、日本人のDNAを文化的に解析しているようにも思えます。これからもさらに理解を深めていきたいと思います。

 

 

家元講座当日、エントランスを飾る迎え花。

 

 

 

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