OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

リコリス違い・・・?

2013.09.24

 

9月23日、秋分の日、お彼岸のお中日の花は「彼岸花」。

 

彼岸花というと、墓地に咲いていたりするので、都会の方は少し不気味に思われる場合もあるかもしれませんが、墓地に植えてあるのはその球根部分に毒を有しているため、墓を動物たちに掘り起こされないように、守護神的な意味も含めて敢えて植えてあるのです。彼岸花は決してお墓の花ではありません。

田舎育ちのアタクシにしたら、彼岸花は畦道に自生しているもの。たわわに実った稲穂がその重さで頭を垂れ、黄金に輝くこの季節、稲穂の手前で真っ赤に咲く彼岸花、秋晴れの青い空、この景色がなんともきれいに心の情景として残っています。

アタクシの場合、春の到来は空の水色に桜のピンク、菜の花の黄色の三色で象徴されますが、秋であれば、空の青と稲穂の黄金、そしてでんぷん質で花弁がキラキラと輝く彼岸花の赤です。

 

なんて、思っていたら、例の深夜ワールドへ誘ってくれた「シンヤ君」(=信也君)が、つかつかと花研の事務所に入ってきて、

「よう!元気?

ボクが今、素敵な女性に贈るとしたら、なんといっても彼岸花!

彼岸花の花ことば知ってる??

あなたのことだけを思う”だよ。

ロマンティックだぜ~」

 

だって・・・。さすがシンヤ君(公称35歳・・・およそ)。

 

シンヤ君は花研にまめに足を運んでは、季節の旬の花についてショートプレゼンをしてくれて、花市場にいるとつい忘れそうになる野の花の魅力について熱く語ってくれるのです。アリガトー、シンヤ君!(涙)

 

さて、彼岸花はヒガンバナ科ヒガンバナ属で、その学名をLycoris radiata(リコリス ラディアータ)といいます。

花市場では、一般的に園芸品種の「リコリス」という球根植物が流通していて、9-10月に旬を迎えます。

 

 

このリコリスにまつわる話で「リコリス違い」をしてしまったことがあります。

数年前の話ですが、香りのお仕事をしていらっしゃる方のところにお邪魔する際、手土産でハーブティを買いに行きました。

お土産の品はすぐに決まって購入した後に、お店の人が「リコリスの根のハーブティをいかがですか」と勧めてきました。

 

“なぬッ(@_@)???

リコリスの根?つまり毒があるということか?”

 

「リコリスって、あの植物のリコリスですか?」

「はい、そうです」

とかわいらしい店員さん。ニコニコ(*^-^*)

 

「飲んでも大丈夫なんですか」

「もちろん大丈夫ですよ」

 

“絶対ウソちゃう?

アタクシはここで毒入りのリコリスの根のお茶を飲んで無念の死を遂げるのか??

この店員さん、かわいい顔して、白昼堂々店頭で毒殺を狙っているのか・・・”と独りごちつつ、冷静に、

 

「リコリスの根というと、毒はないんですか?」

 

「ありませんよ」

 

“ウソだ!!毒がないリコリスの根なんてあんのんか??”(独白・・・毒吐く)

 

「飲んでみますか?」

 

“ギョギョーーーッ(@_@。ほんまに殺す気や”

 

「甘みのあるハーブで、他のハーブと合わせて甘みに使われるんですよ。

単体だと甘いだけなので、あまりリコリスだけで飲むことはありません」

 

“あー、そーやって毒を薄めて、毒の効果が表れるのを遅らせるているに違いない。

店頭でパタッといかれたら、さすがに困るやろて”

 

「あ、はー、そうですか、先を急ぎますので今日のところは結構です」(笑顔を忘れず丁寧にお断り。顔はひきつっていたに違いない)

 

「では少しお持ち帰りになりませんか。

お手持ちのハーブティを混ぜるとおいしいですよ」

 

「わかりました。ご親切にありがとうございます」

と、ほんの数グラム、ごぼうを細くちぎって乾かしたような繊維質のものを小さな袋に入れて、サンプルとしてもらってきたのです。誰かに毒味をしてもらおうと思いまして。

 

あれ?球根じゃない・・・(-_-)なぜだ?

そしてわかったこと。

 

「リコリス」という植物は2つある!

 

一つはヒガンバナ科に属していて市場にも流通している球根植物のリコリス、もうひとつは別名スペインカンゾウ、ヨーロッパカンゾウとも言われるマメ科カンゾウ属の植物で、英語でLicoriceのこと。綴りも球根のLycorisと微妙に違います。

カンゾウと聞いてピンときた方はさすが、そう、“甘草”です。

Licoriceとはもともとギリシャ語で「甘い根」の意味です。つまり、昔からリコリスを甘味として摂取してきたということのようです。

アレクサンドロス大王は、自分の軍勢にリコリスを与えてのどが乾かないようにしてあげたのだとか。

また、食べ物に甘みを付けるだけでなく、薬効も期待でき、肝炎や消化不良の薬としても使われたそうです。

なるほど、そっちのリコリスですか。

ま、ハーブティ屋さんのお姉さんなら球根のリコリスを知らなくてもやむをえまいて。

甘草のリコリスを知らんかったこちらが勉強不足。知っていたら殺されるんじゃないかと取り越し苦労をせんでも済んだのにねー。

 

で、そのもらってきたリコリスをどうしたかというと、もちろん花研の皆さんに飲んでいただいたわけです。

私も毒味程度に少し。砂糖水級にピュアな甘さでした。レモンバーム系に、ほんの少し加えるとマイルドでおいしいハーブティができるかもしれません。

 

ということで、ハーブティとして販売されているリコリスは飲んでも大丈夫です。

英名で記載してある際は、一応スペルをチェックしましょうね!(*^-^*)

pagetop