OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

お米文化と「いただきます」

2009.10.23

 先日所用で神社本庁にお伺いする機会を得て、神道や神話、稲作の発達と日本文化の関わりなどについて、ご教示頂いて参りました。

 

 稲作はご存知の通り約2,500年前の弥生時代に九州に伝わり、その後あっという間に青森県の北の外れまで伝播しました。それも食べておいしく、保存が効き、1粒のお米から500粒ができるという生産性の良さが受け入れられたのことです。

また、昔はお米は天照大神からの授かり物として、一生懸命稲作を続けたようです。「お米を作らなければ飢えてしまい、生きていけない」とお米を一番大切なものとして、作り続けたのです。そしてそのことが次の6つのような今の日本人の特徴を作ったということです。

 

①勤勉

米作りはその字の通り、八十八(多く)の工程から成り立っており、人々の口に入るまでかなりの手間がかかります。その手間がかかる稲作に弛むことなく勤しんできたところから、勤勉という性質が生まれてきたのでしょう。

 

 ②協調

お米を作るためには水が必要ですが、この水を田へ引くためには水路が必要です。

水路は大勢の人が集まり、土を運んだり、穴を掘ったり、数々の共同作業を行わなければなりません。そこから協調性が生まれました。

 

③算術の発達

算術も水路作りから生まれたそうです。水路を引くためには水量、勾配の計算技術といった土木技術が必要不可欠です。

 

④植林の文化

日本全国どの都道府県にも山があるとおり、日本は山国です。まったく山がないと雨が降ると海に流れて行ってしまい、さまざまな災害が起こります。それを防ぐためにダムがあるわけですが、コンクリートがない時代には、代わりに木を植えました。

木が生えているところには地中に水が溜まり、ダムの役割をします。溜まった水は流れず地下水になるので、稲作に使う水も保つことができます。昔の人々は一生懸命山に植林をしました。ですから今でも日本中の多くの山は奇麗な緑で覆われているのです。

 

⑤豊かな食文化

お米は炊いてご飯にしてしまうと、すぐ腐ってしまいます。そこで、日本人は逆にそのことを利用して、お米からも多くの加工品を作ってきました。

日本酒、みりん、酢、おもち、(副産物ですが)漬物のぬか、上新粉からお団子やお饅頭、お煎餅など、食事の最初から最後まで、すべてお米からできたもので賄えるくらいです。

またこれらの食料品はおいしい上に健康的なので、世界中で使われています。

 

⑥自然保護

お米作りでは水を管理が重要です。天候の具合を注意深く観察していかなくてはなりません。暑すぎたり、寒すぎたりすると病気が発生し、稲作に甚大な影響を及ぼすことにもなりかねませんので、昔から稲作に携わる人たちは毎日注意深く自然を観察し、さまざまなことを感じながら、米作りに生かしてきました。その結果自然を大切にする心が生まれ、日本人の中で大きなものになっていったわけです。

統計なる学問も、この自然観察や前述③の算術の発達から進歩したのかもしれません。

 

また、日本でお米の生産が盛んになったのは、お米が穀類の中でも最も収穫効率の良いものの一つだからです。

先にも述べましたが、なんと1粒のお米から500粒が収穫できるのです。そのお米は、日本では約1,300年前から貨幣の役割をも担っていました。江戸時代の年貢米に見られるように、報酬や税金がお米で支払われていたことは皆さんもご存知の通りです。

一方、古代ローマではお給料は塩で支払われていました。ですから、お給料のsalaryの語源はsalt(塩)から派生したsalariumであることをご存知の方も多いと思います。

 

さて、日本語ではどうでしょうか。

「お給料」という字に「米」は・・・・どれどれ

 

 

 

入っているではありませんか!∑(゜◇゜;)!!

 古来より如何に日本人にとってお米が生活に大切なものであるか、まさにその字が物語っています。

 こうなってくると、もう「料」の字のつくりの「斗」の部分は稲穂に見えてきてしまうくらいです。しかし、これは調べてみないとわかりません。

 

 

食事の前に言う「いただきます」は、生物の命を「いただく」ことから来ていますし、米作りでいえば、それに関わる全ての人、太陽や自然を含む全てのものや自然に感謝の意を込めることから言うものです。

「米」だけに気持ちを「込め」て・・・←あ、花研ではダジャレが奨励されています。

 

 

お米は日本人のアイデンティティともいえるものと思いながら、お話を伺いました。

人は自然界の一部で、自然の中で育ててもらっているのです。花業界で働く私たちも、その自然の豊かさを社会に広める役割を担う一員として、現代の技術や算術を駆使し皆様の生活に花き文化を届けることができるよう邁進してまいりたいと思います。

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