OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

和歌山県コウヤマキ一丁目

2012.01.23

 

コウヤマキで高野山にお邪魔したわけではないのですが、以前和歌山県の龍神から大田花きにコウヤマキを入れてもらった関係で、やはりコウヤマキには注目しています。

(コウヤマキに関する産地紹介はコチラ)

 

 コウヤマキは日本固有の常緑針葉樹で、世界三大美木のひとつに名を連ねています。(日本以外に自生していたコウヤマキは絶滅してしまったのだとか)

 また、まっすぐに伸びることから、「大きくまっすぐに育ってほしい」という思いが込められ、秋篠宮家の悠仁さまのお印に選ばれたことも有名です。

 

なぜ、高野山でコウヤマキなのか。

弘法大師空海が真言宗の花を高野山にある植物で最も長持ちをするものを探していたところ、それがコウヤマキだったそうです。コウヤマキは夏の暑さにも強く、長持ちする花として空海の真言宗のみならず、他の宗派にも広く使われています。観賞用のみならず、保存性、耐湿性が高いことから、浴槽や桶をつくるのにも使われています。針葉樹らしい森林の香りが高い木で、その芳香も魅力です。

高野山にはコウヤマキのエッセンシャルオイルもあり、針葉樹独特の清々しい香りの中に、優しく甘い微香が感じられ、とても良い香りでした。

昔から高野山には多くコウヤマキが自生しており、生長に適した環境である高野山で植林と栽培が盛んになったことから、コウヤマキと名付けられたそうです。

ここ高野山はコウヤマキ一丁目なんですね。

 

お寺の本堂でもお墓でも、高野山中どこに行っても手向けられているのはコウヤマキ。多くの場合、コウヤマキのみだったりします。

というのも、コウヤマキ1本を手向けると、他の花60種類を生けたことと同じ意味になるとされているからです。

長持ちするだけでなく、病害虫にも強く、樹の寿命も長く、寒さにも暑さにも強く、悠久の時代を生きる霊木(スピリチュアルツリー!)ともいえるかもしれません。

 

コウヤマキは常緑で、冬は休眠するのですが、休眠中は色が茶褐色になります。

この色がまた冬を演出するのに良い味を出しています。気温が高くなると鮮やかな緑色を取り戻すので、切枝で室内に入れておくと徐々に色が変化していくのを見ることができます。 

 

生長はすこぶるスローで、実生から膝丈になるまで7-8年かかります。

1年に生長するのも1関節(10cmくらい)のみ。一定の寒さに当たらないと、葉が締まらず、ダレダレのコウヤマキになってしまいます。

 

コウヤマキは少量ですが関東でも流通しています。東京、関東周辺のフローリストさんたちには、空海の木ということからは離れて、フラワーデザインの素材のひとつとして創造性豊かに使っていただいております。和風にも洋風にも使えるのが人気の理由の一つです。

 

他のグリーンにない色、長持ち、葉が落ちないなど素材としては他に類を見ない性質を持っています。形状はなんとなく松に似ていますが、松脂もなく、葉も落ちず、葉先が当たっても痛くないところが松以上に使いやすいという声を聞きます。 

 

↑これをご覧になったら、空海様はびっくりなさるでしょうか。

 

大田市場でも龍神からコウヤマキが数量限定で入荷していますので、是非使ってみてください。

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