OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

暑い夏は花が売れるか

2018.07.19

昨日に続き、猛暑の話から。今年の猛暑はNHKを見ていても、「命を守る選択をしてください」などと危機迫る言葉が繰り返され、暑さを甘く見ないよう注意が促されます。

「ウェザーニュース」によると、どうやら2つの高気圧が同時発生しているらしく、これは1994年の猛暑に似ているのだそうです。

1994年の夏は全国3カ所で最高気温40度を超え、東京でも8月の月平均気温は28.9度で、「観測開始以来の猛暑」として当時の最高記録をマークしたのだとか。(それだけ暑かった夏も、現在は6位というのが驚きです。)

 

ちなみに、94年(赤折れ線↓)が93年(青)に比べて7-8月でどのくらい高かったか、気象庁のデータからグラフにしてみました。

確かに前年を大きく上回っています。あまり記憶にありませんが、大変な夏だったんですね。

tempera_9394

 

さて、その記録的な暑さが到来した1994年8月に、売れたものと売れないものがあったようです。単純に前年比なので、前年の状況によっても左右されますが(そんなことは棚に上げて)、ウェザーニュースの記事には、次のように書いてありました。

●ビール +20.9%で史上最高(当時)

●ミネラルウォーター +62.8%で品薄に

●エアコン2.86倍の売上で史上2位(当時)

●殺虫剤 +20.0%

●スイカ +63.4%で品薄に

このように品目におって記録に残る売上だったようです。

 

一方、暑さで消費が減った品目もありました。

●JRの乗客 -2.0% 猛暑で夏休みなどの外出が減った

●ディズニーランド -13.1% 猛暑で減少(夜は増加)

●熱中症 4.4倍(東京、8月15日現在)

●火災発生 4倍(エアコンや扇風機による火災)

●山の事故 231件(過去10年で最悪)

●水の事故 死者687人、過去5年で最悪

●渇水の影響 1,500万人 史上最高(当時)

●スズメバチ発生 3倍 空梅雨、猛暑で大量発生

●傘の売上 -42.7%

●ケーキ -15.1% 暑い時は甘いものは不振

 

“1994年のGDPは約487兆円で、実質前年比では+1.1%だから、この暑さが経済成長に影響したわけではなさそう”(プラスにも、マイナスにも)と締めくくっています。しかも、1994年当時はまだGDPが伸びているときでした。消費税も5%に上がる前だったことも大きかったように思います。消費税が5%になる1997年まではGDPは伸びましたから、各品目で多少の凸凹があったとしてもGDPに大きく影響するほどではなかったということでしょう。今年のGDPはどうなるでしょうか。猛暑によってよく売れるものと売りにくいものがあるでしょうし、売れる品目もその後の反動で売りにくくなるという現象が起こるのではないか、激甚災害とそれに伴う復興・復旧活動などで促される消費などがプラスにもマイナスにも影響してくるように思います。

 

さて、1994年7-8月の花きの消費はどうだったか見てみたいところではありますが、月別の統計が発表され始めたのは2000年なので、データがありません。そこで、2000年以降で最も1年の平均気温が高かった2004年の月別支出を見てみました。比較対象として前年の2003年を参照しました。(家計調査)・・・平均気温が高い年だからといって夏が猛暑とは限らないのですが、2004年くらいから記録的な猛暑が頻発しているようなので、ここでは仮に2004年を参照しました。

 

まずは切花から。

2003_2004cutf

7月、8月の消費が前年と大きく違う点は見当たりません。

では園芸品・同用品はどうでしょうか。

2003_2004POT

6月は121円、7月は99円落ちています。もしかしたら暑さのせいかもしれませんし、そうではないかもしれません。これだけではわかりません。一応気温を取ってみますと、確かに7月は前年比で平均6度近く上がっています。(というか前年が冷夏気味?)

(月別平均気温、全国、気象庁)

tempera_200304

7月に暑かったせいで、外で楽しむ園芸品・同用品の支出は減少したのでしょうか。仮説を立てることはできますが、検証はタイムオーバーにつき、また別の機会とさせていただきます。

 

ちなみに今年の全国平均気温は以下の通り。(2018年7月は途中のデータです)

tempera_1718

今年の1月、2月は寒くて、なかなか露地物が開花しなかったのですが、3月から(なんだか急に)気温が高くなって、桜の開花も早まりました。そのときのことを確かにデータで見て取ることができます。

5月から7月(のデータが発表された時点)までは、昨年とほぼ同じくらいの平均気温で推移しています。

 

花きの支出はどうでしょうか。

切花(円)

cutf1718

 

園芸品・同用品合計(円)

pot1718

 

あ、まだ6月7月が出ていませんでしたね。今年の暑さとの関係を分析は、まだ早かったようです^^;

フライングしました。この続きはまた後日。

ただ5月の支出が切花、園芸品ともに減少しているのが気になります。1年を通して推移を分析してみないとわかりませんが。

 

この暑い夏に、いかに花きで涼や暑さを紛らわす楽しさをお届けするか、理想を言えば、暑い夏でも冷夏でも切り口を変えて提案し、どんな夏でもお客様に頼られる商品になるといいなと思います。

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