OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

母の日参りと輪廻転生~reincarnation~

2018.04.19

reincarnationという言葉があります。

re(再)+in(中へ)+carnate(肉体)+-tion(名詞化)という単語の構成です。

再び肉体に(魂が)入ること、つまり「生まれ変わり」、「輪廻転生」という意味です。

 

この時のreincarnationの-carnationは、花のカーネーション(carnation)と全く同じスペルですが、偶然でしょうか。

日常会話を英語で行う人でさえも、この2つの意味の関連性はあまり考えないかもしれません。以前、英語の先生にこの二つの言葉は関係あるのかと聞いたら、NOと即答していました。カナダの人でした。

しかし、1文字と違わない偶然を看過することができず調べてみると、やはり関係があることがわかりました。←いえ、これは言いすぎです。すみません。関係があると自分で得心するところまで辿り着いたということです。

 

英語のcarnationの名の由来は一般的に2説あります。

coronation(冠飾り)が転訛したという説と、ラテン語の肉という意味carnに由来するものです。

アタクシ個人的には、以前から後者が有力と考えています。後者は元々のカーネーションの淡いサーモンピンクのような色が、肉、あるいは肉体(ラテン語でcarn)の色に似ていたことからこの名が付いたというものです。

カーネーションの学名dianthusも「神の花」という意味が元にありますから、カーネーションという名も神聖な花として見てそう呼び始めたのではないかということ、またナデシコやカーネーションのことをpinkと呼ぶこともありますが、これも元々の花色に由来する呼称であること、16世紀にラテン語がフランス経由で英国に流入したなどの単語発生の経緯などを総合的に考え、肉体carnに似ているからcarnationという単語が生まれたという説を支持しているというわけです。ちなみにカーニバルcarnivalという単語も同じcarnに由来しています。

 

・・・とこれまた前置きが長くなりましたが、輪廻転生のreincarnationと花のcarnationは語源が同じという仮説に基づけば、カーネーションをお墓に手向ける(母の日参りなど)は大変意義深いものではないかと思うのです。

ご先祖様にカーネーションを手向けると、ご先祖さま魂がどこかで輪廻転生を繰り返すことを願っているようにも思いますし、もしくは、手向けたカーネーションに故人の魂が宿り、手を合わせている間だけでもカーネーションを介して故人とお話しできシーンを創出しているようにも思います。

母の日参りの提案も、母の日参りでカーネーションを提案することも、大切な人を亡くされた人たちの気持ちを優しく汲み取った素晴らしいことと感じています。

そんなことを考えながら、母の日を前に、カーネーションをしみじみ見つめてしまうのでした。

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次回、NHKマイあさラジオ、花当番は4月30日です。生放送です。ご都合が合えば、ぜひ聴取してみてくださいませ~。

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