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「ここほれわんわん」活用塾!その1

2017.09.27

わたくしども大田花き花の生活研究所では、「ここほれわんわん」という花き取引統計情報の提供サービスを行っております。会員制ですが、本日は、会員の方にも会員でない方、これから会員をご検討されている方にも、ここほれわんわんをどのように活用できるかご紹介させていただきたいと思います。

花生産や販売の将来を考える上で、感覚や直感、あるいは勘はとても大切です。

しかしそれらにも裏づけが必要ですし、それらは誰もが同様に持ち得るものではないでしょう。

そこで活用いただきたいのが統計データです。

 

「ここほれわんわん」とは花き取引のデーターベース、つまり使い方によっては宝の山です。ですから日本昔話のレジェンド“花咲じいさん”になった気分でデータ分析に取り組んでみましょう。

当データベースの特徴は、大田花きの取扱データを基に品目品種別に動態を分析できることです。

他の発表されているデータは、品目まではあっても品種はない。

年間はあっても月別はない。

今年はあっても三年前はない。

全体はあっても都道府県別には判らない。

全体はあっても輸入動向はわからない・・・など、

みなさまのニーズに応えきれないケースが多々あるものとお察しいたします。

こうした不都合を(ある一定のところまで)解決し、皆様のご期待にお応えできるデータベースです。

 

「ここほれわんわん」をご利用いただければ、生産者の方はご自分の品目の取引傾向が掴めます。

買参人の方は、いつ、いくらぐらいで流通する花材なのか、仕入れ計画を数字で検討できます。フェアや先々の受注に関しても具体的に花材に目星をつけていくことができます。

都道府県で政策を検討実行される方は、国内と海外の商品の流通情勢を把握することができます。

種苗会社の方は、他社の品種もあわせて品種別の流通量と単価を知ることができます。

 

このように数字を知ればあらゆることがクリアに見えてきます。

 

これから「ここほれわんわん活用塾!」は数回にわたり、基本的な操作をご紹介したいと思います。

 

今日はその第1回:「品目別実績」から月別動向を捉える

周年流通している品目がたくさんありますが、何月が多くて1年の中でどのように動いているのか、意外とわからないことがあります。全体の出荷量が多いから単価が低迷するのか、少なくても低迷するのか、需要期がいつなのか、多くても単価をしっかりとれる月はあるのか、可視化できると出荷計画を立てることができます。

すべての会員様が共通してご覧いただける「大田花き市況メニュー」⇒「品目別実績」メニューをクリックしてください。

 

該当期間を選び(1回の最大期間は12か月です)「検索」をクリック。すると次のような画面が出てきます。

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閲覧・分析した品目を選びます。

例えばここではバラを選びます。

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すると月別に本数、金額、単価、及びそれぞれの前年実績が表示されます。

閲覧だけで終了しても構いませんが、分析のためには左下のCSVダウンロードボタンを押し、データをダウンロードします。

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すると、先ほどわんわん画面で見たままのデータがCSVファイルにダウンロードされます。

「前年比」などの行が混じっていますので、「フィルタ」をかけて使いたいデータだけを選択します。

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必要なデータだけを残したら、それをグラフ化します。

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こうしてみると1年間のバラの取引推移をこのように捉えることができます。

この例にとった1年を見れば、例えば1月、2月は出荷量が少ないために取引単価が幾分高くなっています。2月に出荷量が増えてさらに取引単価が上がるのは、フラワーバレンタインなど新規需要の創出などの影響が大きいでしょうか。

バラの生産コストも高くなる時期ですので、少しくらい販売単価が上がったところで再生産価格となりえないと判断される生産者さまもいらっしゃるでしょうし、2月の需要期に新しいチャンスを見出される方もいらっしゃるかもしれません。

行政の方はこのようなデータを生産者様へのアドバイスとしてもご活用いただけるでしょう。

また、生産者さまなら、ご自身の取引データをこのグラフと重ね合わせて比較するという方法もあります。

 

同様に5年ほど遡ってデータをとることができますので、他の年においても同様に分析するといいでしょう。

また、バラという品目のくくりでなくても品種別にも分析ができますし、月別からさらに踏み込んで「旬別」にも分析できます。

 

ここほれわんわんをご利用いただくからには、何はさておき品目別実績をご活用いただきたいと思います。

 

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