OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

オリジナル商品を作る

2017.04.10

埼玉県の蓮田(はすだ)にある生花店P様のお取組みのご紹介です。

お一人で生花店を経営され、生け花やフラワーアレンジメントのレッスンなども行っていらっしゃいます。大田市場の仲卸さんで日頃買い出しをされていらっしゃる方で、生花の日持ちにも大変意識が高く、生徒さんにも切り花栄養剤の効果についても日々研鑚を積まれ、生徒さんたちに伝授されています。

そのP様がこのたび切り花栄養剤を5袋セットで販売したら、大変よく売れているというので、どのように販売されているのか見せていただきました。

こんな感じ↓

P1 P2

切り花栄養剤の小袋5つをセットにして、A6サイズの袋に入れて100円(税込み)で販売されているのだそうです。

「生花店の義務として、切り花を1本買った方へ切り花栄養剤1袋は無償で提供しています。お客様は1袋は切り花栄養剤をを使用してくださるのですが、その後は水道水のみというのが残念だなーと思ってね」

とはいえ、P様の店舗では、ボトルの切り花栄養剤は500円前後としても意外と敬遠されがち。“後で使わなくなるかも”という心理が働くのではないかと推測されていました。

実際、500円の花買って長持ちの薬が500円だったら、また次の花500円で買えば良いって思っちゃう」というお客様のお声を聞くのだとか。

しかし、小袋と似たようなサイズの袋に入れておいてもなかなか気づかれないので、袋を大きくしたら目に留めていただけるかなと、A6サイズの袋を使ったそうです。ただ、切り花栄養剤の小袋に対して外側の袋が大きすぎてスカスカだと見栄えが悪いかなと、説明書付きの紙を入れたと。

そこで5袋セットにしたA6サイズの商品形態にして販売しましょうというアイディアが生まれました。

 

パッケージに入れてある紙を開いてみればシンプルなA4サイズ。このように向きを組み合わせてレイアウトしたものでした。

P3

A4を4つ折りにするとちょうどA6サイズの袋にハマるのです。

画像も市販の素材のもの。

デザインと文言を考えるのとで全部で「2時間くらいでできちゃったよ」と。

しかも、いまどきのイラストレーターなどで作ったわけではなく、

「エクセルでチャカチャカっと作っただけよ。自分で学んだことのうち、お客様にとってどのようなことが価値があり、お伝えすべきかの判断が考えどころね」

P4

こんな風にわかりやすくポイント別にまとめてあれば、お客様もきっと興味を持って目を通してくださるでしょう。

この解説書と小袋をセットにして完成です。

P6 IMG_6287

 

小袋単体で販売していたときは、お客様の反応は鈍かったそうですが、5個入りにした途端にお客様から聞かれ、売れるようになったそうです。

P5

 

これもアイディア戦ですね。

このことで、P様のお店の花はよく持つという評判にもなるでしょう。

花をご購入されたお客様が、期待値よりも早く枯れてしまったと残念な思いをされることもないと思います。日頃から日持ちに着いて意識を持って研鑚を積まれ、何とかお客様に花をもっとキレイに長く楽しんでいただきたいというP様の思いから生まれたアイディアと言ってもいいかもしれません。

 

企業に資本力があれば、切り花栄養剤のメーカーと取り組み、OEMで自社ブランドの切り花栄養剤を作ることもできるでしょう。実際、そのようにされている生花店様もございます。

しかし、日本の場合多くがご家族経営や“おひとり経営”(1-3人程度による経営)。平均的な売り上げ規模からいっても、OEM商品を開発するのはなかなかハードルが高いのが現状です。

このようなアイディア戦なら経営規模の大小に関係ありません。むしろ、新商品の提案や創出・提案なら、少人数の生花店様の方が実行に移しやすいといえるでしょう。

 

仕入れたものをそのまま販売するのではなく、そのお店なりのアイディアと商品に組み替えて提案することが日々の売上に繋がっていくものなのでしょうね。さすがのP様と感心してしまい、小欄でご紹介させていただきました。

P様は「みなさまにマネしていただいて結構ですよ」とおっしゃっていますので、PCのExcelとプリンターさえあれば、今日からどなたでも売上に結び付けることができるかもしれませんね。

pagetop