OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ストックのしおしお・・・

2017.01.31

季節の花ストックが旬を迎え、弊社事務所にも数本ながら飾らせていただいています。

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発色も良く、豪華なので、事務所の中央に数本置くだけで部屋が一気に華やぎます。

どのストックを日々を見上げながら、感じたことがありました。

枯れ際でもないのに、「なんだか花がしおしおしていない??」

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花弁がしおしおと縁が丸まり、花弁の脈が浮き上がっているが気になります。

IMG_4963←こんな感じ。花弁の縁が丸まっている。

 

IMG_4960←脈が浮き上がる・・・

葉はまだ元気ですし、天辺のツボミもこれから開花しそうなのに、花だけが開花していながらしおしおして頼りなく、“年寄りげ”・・・だな~と。

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なんだか開花ステージがアンバランスという印象です。

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そこで、ある品質管理の専門家Aさん(ご本人より“匿名希望”にて)に伺ってみました。Aさん曰く、ストックは“おねえさん”のイメージを持つ素敵な花。しかし、“おねえさん”な花もしわだらけでは“おばあさん”になってしまいます。なぜこのように花が古いわけでもないのに、花弁が丸まってしおしおとした現象が起こるのでしょうか。

すると、一つはエチレン作用によるものだと教えてくださいました。

STS処理をしていないと、花落ちもしやすいそう。そういえば花瓶に生けるとき、大きな衝撃を与えていないのに何輪か落ちてしまいました。

 

しかし難しいところは、エチレンの感受性が強いからといってほかの花のようにSTS剤を飲ませると、薬害で葉が黄色くなるリスクがあるのだそうです。ですから、STS剤を使う生産者様は、かなり薄くして使うのだそうです。

それでもなお、このしおしおを改善するのは十分ではないらしい・・・。もう一つは糖分の不足によっても起こるのだそうです。ですから、生花店さまや生活者様のご自宅でも、糖度の高い切花栄養剤が必要なのです。

もしくは、生花店さまやデザイナーさまならミラクルミストなどの後処理剤をスプレーしても効果があるようです。

なるほど、なかなか手ごわいですな。それぞれのステージでやるべきことが上手に施されることによってしおしおが改善されるわけですね。

 

今、自分の家にストックとスナップを飾っています。個人的にはストックの発色が良く、好みではあるのですが、スナップと並べて飾るとなぜかストックが幾分見劣りします。それはそれぞれの花の形状にも起因しますが、ストックのこの“しおしお”にも一つ原因があるのかもしれません。ストックとスナップではそれぞれ用途が異なるので構わないのかもしれませんが、もしこのしおしおをもう少し改善できると、需要の幅が広がるような気がします。

【ご参考】大田花き品質カイゼン室の実験結果はこちら

 

ちなみに、その専門家のAさんが「ストックはもう少しやわらかいラインを描いたものがあってもいいですね。通常のブーケに入れられるような小さいものとか」とおっしゃっていました。

アタクシも共感です。最近は一重のものなども流通していて、それならブーケにも使いやすいと思います。立派なものに加え、少し楚々としたもの、野趣味が加わったものがあってもいいかもしれません。

・・・とストックについて思うのでした。

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