OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

スーパーにおける生花売場のポジションはあっているか

2016.12.20

スーパーにおける生花販売はここ数年で劇的に伸びてきました。1994年には花き販売チャネルの中で、生花専門店は70%、一方スーパーは12.5%でしたが、今や専門店42%、スーパー30%(2014年総務省)、2019年にはスーパーが専門店を凌ぐと試算されます。

そんな風に、スーパーにおける花販売は確実に伸びているのですが、実は昨年までの試算では2018年にスーパーが専門店を凌ぐ試算でした。しかし、2014年の最新データを取り込んで試算し直すと、2019年になったのです(1年遅れました)。成長率というのはどこかで必ず鈍化しますから、当然の流れかもしれませんが、スーパーの中の生花売場の位置に改善の余地ありではないかと思っています。

そこで、今日は消費者としての感想です。

スーパーに行って毎度毎度思うことがあります。

日常的に使わせてもらうスーパーが2つあります。月1回行くところも含めれば3つ。そのスーパー全てに共通していることは、生花売場が入口すぐのところにあるということ。

見ますよ、花の陳列棚を。商売柄一応は。クオリティや品揃え、価格帯など。2つのスーパーのうちの一つはかなり良いクオリティでコスパも良く、お買い物カゴに入れていらっしゃる方をよく見かけます。

しかし、少なくとも私個人の行動パターンを言えば、お店に入って花をすぐには買いません。最初にカゴに入れてしまうと、途中で他の商品に潰されてしまうからです。お店に入ってすぐのところに花があるのに、花を買うのは最初ではない。つまり、消費者の行動パターンと花の陳列場所に大きな乖離があると思うのです。

スーパーに来る人は基本的には野菜や精肉、鮮魚、惣菜などの食品をメインに買いにいらしているわけです。花を最初に買い物カゴに入れてしまっては、食品がお買い物カゴに入るころには花は潰れてしまいます。もしくは、後から食品を入れるとき花が潰れないようにずっと気を配っているのはかなりのストレスです。

また、日本の場合、通路が狭いスーパーもありますから(現に私がよくいくスーパーの一つはカートを使えないほど狭い)カゴの端っこに立てておいたとしても、人や商品にぶつかったりして花首が折れてしまうことを考えると、やはり買い物の最初に花をカゴに入れるのは躊躇してしまいます。

そこで花は最後に買おうとぐるりとお店を回るのですが、戻ってくる頃には花があったことを忘れてしまい、レジを通ってお店を出るときにまたその花を目にして「あ!花を買い忘れた!」と思うものなのです。そんなものでショ。もう一度花を手に取りレジに戻る人もいらっしゃるとは思いますが、大変な労力です。

では、なぜスーパーの入口のところにあるのか。

恐らくスーパーという販売チャネルを飛躍的に伸ばした英国に倣ったのではないかと思います。しかし、英国のスーパーと日本のそれとはまったく事情が異なります。英国のスーパーは平均的に見ても通路の広さが日本とは異なりますし、カートにも花が潰れないようにキープしておく専用の置き場所があると聞きます。

ならば日本のスーパーの場合、どこに花の売り場があればいいのか。

ドイツのアルディ(ALDI)はレジのところに花を置いています。日本でいうガムや電池、お線香などの位置です。ココにあれば、最後にすべてのものの上にポンと置くだけですから、花が潰される心配をすることもありません。

日本のスーパーもこれに倣うか、もしくは買い物ルートの最後の場所でしょう。パンや惣菜売り場付近です。もしくは、お酒や米類売り場の近くでもいいかもしれません。

スーパーマーケット運営手帳には、基本的な生鮮品・日用品のレイアウトは花も含め指示されていますが、入口の素通りしそうな場所です。

もし、ここで香りのよろしい焼き芋などすぐ横に置かれた日には(実際に私が行くスーパーはその作戦を取っている)、人々はほぼ間違いなく焼き芋に吸い寄せられるでしょう。この図以外に花の配置指示はされていません。これは見直す必要があると思います。

img_1384 img_1385

いずれにしても、買い物コースの最初ではありません。行動パターンと売り場との乖離を埋めれば、もう少しスーパーにおける生花の売上は改善できるような気がします。

運営される方やほかの購買パターンを取られる方にとっては異論もあるとは存じますが、今日はあくまで、スーパー好きなイチ消費者の目線から提言させていただきました。

pagetop