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「ウィンブルドン現象」よ さようなら・・・?!

2016.07.18

BREXIT関連で世間を騒がせた英国に因んで少し。

「ウィンブルドン現象」といえば、「本来、有利なはずの地元のものが全く競争に勝てない」という社会や経済の現象を指す言葉です。

経済でいけば、「競争を促すために市場を開放した結果、外来勢力が強くなり地元勢が淘汰されること」。

具体的には、外資系企業ばかりが生き残り、国内企業が淘汰されるような例がそれに当たります。

 

社会現象で例えれば一時期の相撲の世界。

横綱には日本人選手が不在で、国外出身の選手ばかりが活躍していたことがありました。これはウィンブルドン現象と言えるでしょう。

 

この言葉は、ご存知の通り1877年に発祥した世界最古のテニストーナメント、ウィンブルドン選手権に語源を得ています。

英国首都ロンドンで開催されているにもかかわらず、男子の場合1936年のフレッド・ペリー以来、地元の英国人選手の優勝がなかったためにその現象を揶揄して、1970年代以降にこの言葉が誕生しました。

 

しかし今、ウィンブルドン現象という汚名を返上したといっていいのではないでしょうか。

というのも、2013年にはウィンブルドン選手権でアンディ・マレー(スコットランド出身)が77年ぶりの英国人優勝を飾り、また、それは偶然ではないことを証明すべく、ウィンブルドン2016においてもアンディ・マレーが優勝に返り咲いたからです。

 

もしかしたら、「ウィンブルドン現象」は近い将来、死語と化すかもしれません。少なくとも、マレーやその他の英国の方はそう願っているに違いありません。英語でもWimbledon effectとして広く知られています。

マレーはテニスで優勝して、言葉の世界をも変えてしまうというわけです(きっと)。これはスポーツが社会経済に与えるインパクトの大きさの一端を物語っていると言えるでしょう。

「ウィンブルドン現象」よ、さようなら。

この不名誉な社会用語を返上すべく、マレーに続く、若手の良い選手が英国から続出することに期待したいと思います。

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